日々に役立つ酵素の話

体内の酵素

受精と酵素

母親の卵胞内で発育した卵子は、LHサージによって卵胞から破れて排卵すると同時に、第1次減数分裂を開始します。排出された卵子は卵管采に取り込まれ、卵管内を移動しながら卵管膨大部に到達します。排卵後24時間以内に性交が行われ受精が行われれば卵子は受精卵となります。

しかしせっかく卵子の近くに精子がやってきても卵子には透明帯と言う膜に覆われていてそのままでは受精は出来ません。精子がこの膜を突破するのには精子の先端にあるヒアルロニダーゼとアクロシいう特別な酵素の働きが必要なのです。

一匹の精子が持っているヒアルロニダーゼとアクロシだけでは透明帯を突破することはどうやっても出来ません。そこで何匹もの精子が透明帯にアタックした結果幸運な精子が一匹だけ卵子の中に入ることができるのです。精子が透明膜を通過して卵子の中に入るときは精子は頭から入っていきます。

そして頭が透明帯を通り過ぎると同時に精子の尾は切り離されて外に取り残されます。そして卵子は受け入れた精子以外の精子が侵入できないように透明帯の性質を変異させて他の精子をシャットアウトしてしまいます。こうして一つの卵子には一つの精子が受け入れられるという巧妙なメカニズムが確立されているのです。

受精した卵子は受精卵となり細胞分裂を繰り返すことでやがて胎児へと成長します。一生のうちで男性が作り出す精子の数は約1兆個から2兆個、女性が一生で作り出す卵子の数は約400個と言われています。現代では少子化の影響で一人の女性が産む子供の数は1~3人だとすると受精する確率は計り知れない数字になりますね。このような壮大な命の誕生の全ての過程にも酵素は深く関わっています。