日々に役立つ酵素の話

工業用品に利用される酵素

新しい酵素利用技術

酵素の基質特異性(特定の原料にのみ働く性質)と反応性を利用して化学物質を検出するセンサーが実用化されました。これらは生体由来の機能を利用することからバイオセンサーと呼ばれています。

1960年代に研究が開始され、1976年にアメリカでグルコースセンサーが販売されて以来、医療診断や環境測定などで用いられています。酵素を使用するバイオセンサーを酵素センサーと呼びます。電気化学と酵素科学との組み合わせを応用したグルコースセンサーでは、電極の上にグルコースオキシダーゼが作用することにより酸化還元反応が起こり、電極に電流が流れ、グルコースを定量させるとが出来ます。

糖尿病患者が自分の血糖値を調べるために用いる市販の血糖値測定器などでこのグルコースセンサーは利用されています。このほかには蛍光発光、水晶振動子、表面プラズモン共鳴などの原理と酵素を組み合わせたバイオセンサーが日々研究されています。

慶應義塾大学理工学部 生命情報学科 生物物理・神経情報学研究室(岡浩太郎教授)は蛍光たんぱく質を利用した生体分子センサーとして最も波長の短い光を発する青色蛍光のバイオセンサーを開発しました。

従来の他の色の蛍光センサーとの同時使用に適したこのセンサーの開発によって、生体内でより多くの分子の挙動を同時に計測することが可能となった事により、ライフサイエンス研究を広げる基盤技術として医学、生物学研究の世界で非常に注目が高まっています。