日々に役立つ酵素の話

医薬品に含まれる酵素

高血圧

カルピス株式会社基礎研究フロンティアラボラトリーと国立循環器センターの内科心臓血管部門との共同研究でガゼイン酵素分解物が血管内皮機能を改善する働きがあることを突き止めたと発表されました。血管内皮とは血管の一番内側を構成する扁平で薄い膜のことです。

血管内皮から一酸化窒素(NO)などの血管調整因子を放出し、血管の拡張や筋肉の弛緩、血流のコントロールを行う重要な器官です。この血管内皮は心臓から毛細血管にいたる全ての血管に存在しています。

したがって血管内皮機能の低下が起こると血管内部の圧力が上昇し、動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす循環器疾病の原因なることが判明しました。血管内皮機能低下を引き起こす原因として高血圧や高脂血症などが指摘されています。この研究では血管内皮機能に注目し、血圧降下作用のある「カゼイン酵素分解物」の持つ血管拡張性に着目し、機能低下した血管内皮機能の改善効果を観察しました。

まず、軽症高血圧症者を対象にカゼイン酵素分解物を投与したところ、摂取後1週間の時点では高血圧の改善結果は得られませんでした。その後更に投与し経過観察を行ったところ、摂取後2週間以降から高血圧の改善効果が現れるということが判明しました。

この結果、VPP、IPP(ラクトリペプチド)を含むガゼイン酵素分解物は血管を拡張させ血管内皮機能を改善し、高血圧を抑制する作用があることが確認されました。このことからカゼイン酵素分解物は2週間以上の継続投与で高血圧、動脈硬化、メタボリックシンドロームなど生活習慣病の改善または抑制に一定以上の効果がある事が報告されています。