日々に役立つ酵素の話

医薬品に含まれる酵素

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

胃潰瘍や十二指腸潰瘍とは、胃や粘膜が深くえぐれて粘膜が傷つき、火山のクレーターのような凹凸が出来てしまう病気です。症状は上腹部の痛み、吐き気、嘔吐、食欲不振などが続き、吐血や下血を伴うこともあります。原因については近年ピロリ菌との因果関係が着目されています。

ピロリ菌はオーストラリアの医師によって発見された4ミクロンほどの大きさの細菌で、4~8本の鞭毛という糸状の尻尾のようなものが生えています。ピロリ菌はウレアーゼという酵素を使って尿素からアンモニアを作り出します。アンモニアはアルカリ性であるため、強酸性の胃液を中和してピロリ菌自身の身を守っているということが分かっています。

日本人の50歳代以上の成人では全体の約80%の人が、20歳代では20%程度の人が感染していると言われていて、年齢が高くなればなるほど感染率も高くなります。ピロリ菌感染症の検査には内視鏡によるものと血液検査、尿素呼気試験(ピロリ菌の発生させるウレアーゼ反応の有無を呼気を集めて検査する方法)がありこれらを複合させて総合的に診断します。ピロリ菌が潰瘍の原因となる症例は近年増加していますが、割合としてはまだ低いと言われています。

しかし潰瘍を持っている人でピロリ菌を除菌するといろいろと都合の良い結果を得られるということが研究の結果分かってきました。元々潰瘍は再発率が高く、再発を抑える薬を投与し続ける必要がありましたが、ピロリ菌を除菌することで、潰瘍の再発を抑制し、薬を飲み続ける必要がなくなるというのです。

ピロリ菌の除菌両方は制酸剤(プロトンポンプ阻害剤)と2種類の抗生物質を1週間内服します。除菌効果は90%前後と非常に高いので、短期間で胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治癒への効果が期待されます。副作用としては軟便や下痢、味覚異常、肝障害、発疹などが見られますが、重症化する可能性は低いと報告されています。